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【トルクレンチ論 02】〜デジタルってお好き?
そうそう、世間ではKTCの「デジラチェ」が出て以来、
デジタル式のトルクレンチが流行始めているみたいね
そのデジラチェですが、
僕も一時、スッゴイ買う気満々でした。
実は、東日の10-50Nmではなく、
デジラチェの12-60Nmを買おうとしていたんです。
店頭のお試しで、実際に触れる機会があって、
力を入れると、ピコピコピコって値が増えて行くのが見えるのは面白い!
新しモノ好き、デジタルモノ好きの僕としたら、
こんな面白いものに興味が湧かないわけないでしょ!
お値段も2万円以下と戦略的な実売価格
ただ、あんまり良い評判を聞かない
アストロの店員さんも
「まだまだ、イロモノです」
「最初に買うのでしたら、プリセット型やダイヤル式をオススメします」
という話
師匠の反応もあまり肯定的ではなく、
「KTCはトルクレンチメーカーとしたらたいした事ない」
「やはり、トルクレンチなら東日」
というアドバイス
そんな影響もあって、デジラチェは思いとどまり東日にしたんです。
今になってはこの選択は正解だったと思うよ。
先人のアドバイスは聞くもんだね。
その後もいろいろ調べたんだけど、
デジタル式はまだまだ発展途上、
“オモチャ”
っていうことが判明
2万円程度のKTCのデジラチェだけでなく、
10万円以上の東日のデジタル式も、実際使ってみる機会があったんですが・・・
結論、どちらも詰めが甘い。
まだまだこれからだね。
ちなみに、東日のデジタル式は精度1%!!!
さすがお値段のことはある高精度
(KTC デジラチェは右ネジ3%、左ネジ4%)
特に、規定トルクを設定して、そのトルクに達したら光と音で知らせるモード
つまり、プリセット型と同じような使い方ではダメダメ
数値が見えない状態で、音&光が発した時を目安にしていると、
大抵、オーバートルクになっちゃうんです。
これはデジラチェも東日のデジタルも共通の傾向
この原因は、デジタル式のトルク測定方法そのものの根本的な構造なんです。
デジタル式は「ひずみゲージ」っていう小さな部品が、
非常に小さなたわみ具合を測定しているんだってさ
その信号をコンピュータが計算して、LEDとブザーで知らせるんです。
今までのプリセット式は、中にはコイルバネが入っていて、
比較的大きなたわみ具合を測定して、
規定トルクになると、バネが戻るかの如く、
力が抜けるような感覚と同時に
「カチン」ってなるんです
この「カチン」のちょい前から、力が抜けるのがスッゴイ良いんです!
人間の感覚は単に光と音だけでなく、手から伝わる力の変化量が重要。
実際使ってみればわかるよ。
デジタル式は、いつ規定トルクになるか、かなりわかり難いから
また、デジタル式トルクレンチ、
測定しながら締めている時、ラチェット機構で一旦戻すと、
かなりの確率でエラーが出ちゃいました。
なんのためのラチェットヘッドだ!役立たず。
あと、KTCのデジラチェ、
ハンドルがビーム式(弓式)のように動くのには抵抗大
かなり使いずらかったよ。
慣れの問題かなぁ・・・
こんな感じに、まだまだデジタル式は“イロモノ”だね
後から自分でも実感したよ。
一通りトルクレンチが揃っている上に+αなら面白そうだけど、
単品で実用はまだまだこれから
どうせ、PCにしてもデジタル家電にしても、
デジタルモノはどんどん進化して行くんだし、
まだまだ未熟のデジタル式トルクレンチを、今すぐ買う必要はないのでは
あと数年もしたら、ガラッと進化しそうだしね
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