'11 12月22日
『箱から見るバイク事情』
前回のおさらい。
箱ソムリエは、箱適応能力からバイクを評価する。
パニア的には、アンダーサイレンサーもしくは低い位置のスタンダードなサイレンサーが良い。
でだ、パニアケースが似合うバイクってどんなバイクだろうか。
箱ソムリエとしての、永遠の悩み。
まぁ、誰もが否定できないのは、カブには箱が必須ということだろうな。
これは絶対的な命題として否定できないだろう。
純正でパニアケースが設定されていることが多い、ツアラー系はどうだろう。
いや、ツアラー系は厳しいと思うぞ。
フルカウル(ハーフカウルでも)のツアラーにパニアが似合うイメージがあるのは、
純正パニアが設定されているからだと思う。
(個人的な好みじゃないけど)車体と同デザインの流線型のパニアだからこそ、似合うのでは。
普通に汎用の箱を取付けたら、浮いている気がする。
トップケースが許容できる限界だろう。
ネイキッドは?
これも厳しいと思う。
ボクも以前ホーネット900にパニアを付けていたけど、客観的には無理があったと、いまさらながら思う。
トップケースだけでも、ちょい浮いている気がしないでもない。
ネイキッド=裸のバイクは、軽装であることにその美しさがあると思う。
じゃ、似合うバイクってなんだ?
うん、ビッグオフ(デュアルパーパス)には箱は確実に似合うでしょう。
むしろ、箱がないと寂しい感じもしちゃう。
250〜400ccのオフ車でも、トップケースならまったく違和感ない。
オフロード系(テイストも含む)には、なぜパニアが似合うのか。
たぶん、車体が機能性を全面に出していて、無骨だからだと思う。
そんな外見が、ある意味無骨で機能性そのもののパニアケースと共通するだろう。
また、オフ系は背が高い=車体シルエットが大きい=パニアとのバランスが良い。
それもパニアが似合う理由かな。
でも、本来のオフロード車は、軽量コンパクトであるがゆえにその走破性という性能がある。
パニアを付けることは存在意義を全否定するようなものでもある。
ああ、この世は矛盾にあふれてる。
まぁ、オフ車論は置いておいて。
となると、箱が似合って、スペース的に効率が良いバイクは、
デュアルパーパスモデルで、かつアンダーサイレンサーということになる。
すなわち、Versys(Kawasaki)や、XB12X(BUELL)がその筆頭となる。
スタンダードな低い位置のサイレンサーだと、前回のNC700X(HONDA)が目に付いたわけよ。
XB12Xなんて、純正オプションでヘプコ&ベッカーのパニアセットが設定されていたもんね。
あれは似合ってた。
ただ、箱ソムリエとしては、メーカーお仕着せの純正オプションは好みじゃない。
でだ、視点を変えると、スタンダードなクラシックなバイクにもパニアって合いそうじゃね。
無骨さ、機能的な雰囲気はあるんで。
まぁ、車体とのバランスもあるから、サイドケースまではすべてに合うとは言えないけど。
SR400にトップケースはそう違和感ないけど、サイドケースはちょいやり過ぎ感あるじゃん。
でも、W650や我がボンネビルには、サイドケースも悪くはない気がする。
サイレンサーは低いスタンダードな位置だし。うふふ。
アメリカンにもクラシック系バイクと同様に箱適用能力があると思う。箱ソムリエ的には。
ただ、アメリカンにはアメリカンの流儀がありまして、
アメリカンには、ハーレーかそれ以外か、
っていう、わがまま極まりない不文律があるんですよ。
すなわち、ハーレーであることが大前提。
それ以外はハーレーのパクリに過ぎない。
そして、ハーレーの中にも序列というか、棲み分けがあるんですよ。
パニアを付けて似合うのは、ロードキングやらのツーリングファミリーだけのようです。
それ以下の、ソフテイルや、ダイナ、スポーツスターにパニア付けるっていうのは、序列に反するそうです。
スポーツスターやダイナは、チョッパー的な、軽快な、パニアなんてありえない、そんな扱いなのです。
パニアを付けるのは、その棲み分けに反する、無理な背伸びと思われるんです。
個人的には、日本人が日本で使うバイクとしては、
スポーツスターでも、十二分に重くて、大きいツアラーだと思うんだけどなぁ。
リジット時代は振動が凄いんで、箱なんてすぐに取れ(壊れ)ちゃってありえなかったと思うけど、
ラバーマウントになってからは箱付けても問題ないと思うぞ。機能的にも、スタイル的にも。
ハーレーにはハーレーの作法があるようです。
ハーレー以外はハーレーの下であって、ハーレーの入門車とまで見下されている模様。
すなわち、スポーツスターにパニアが不相応なら、それ以下の入門車には当然ありえない。
そんな空気。
なんで、アメリカンは、ハーレーのツーリングファミリーにしかパニアは許されていないらしい。
なんかおかしい。
以上、(自称)箱ソムリエから見た2011年当時(冬至)のバイク事情でした。
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