10年07月06日 火曜日







『排ガス&騒音規制とハーレーさん』・・・XL1200R




















知っている人にとっては常識だけど、

知らない人には、驚く話。







二輪車には各種の規制がありまして、

排ガス規制(排ガス中の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)の濃度)

騒音規制、とあるんです。







排ガスは車検でも測られるよね。

ただ、それらの規制はある意味、二枚舌、三枚舌でして、

形式認定を取得するための規制値と、車検時の規制値は異なるんです。

車検時のほうが緩やか。経年劣化もあるからね。







形式認定は、日本国内で二輪車を販売するために取得するのが原則。

しかし、販売台数が少ない輸入車や逆輸入車にとって、

形式認定を取得するのは費用がかかり、現実的でない。

そこで、(形式認定よりは)簡易な検査を(たしか)10台に1台の抽出で行い、

その検査に通れば、国内の登録が可能になるんです。

(ここらへんの台数や、検査の名称は記憶があやふや)







形式認定をクリアするためには、

加速騒音規制という極めて厳しい基準値をクリアする必要があるんです。

その加速騒音規制が輸入車向けの検査ではないらしいのよ。

その他の基準値も、形式認定を取得するほうが厳しいんだってさ。

厳しい形式認定を取得するために、パワーを敢えて下げたり、頑張ってるらしいね。

だから、ノーマル状態でも国内仕様のほうが輸入車より排気音は静かで、馬力も低い。



















で、ハーレーさんは大型ではとっくにホンダの販売台数を抜いて、国内トップなんですよ。

そんなハーレーさんは、ずっと輸入車の有利な検査で登録ができていたんだけど、

5年か10年くらい前から順次、環境にやさしくしよう!って考えたらしく、

形式認定を取得しようとしたのよ。

形式認定を取得すれば、販売時にいわゆる「ガス検」費用が掛からなくなるしね。

台数を売る場合は形式認定を取得したほうがお得なわけ。







しかしお役所は、いままで国内メーカーにしか形式認定を与えたことがない、

という前例を踏襲して、ハーレーさんに形式認定を認めなかったんだってさ。







だけど、ハーレーさんは意地で、

形式認定の基準値をクリアできる車両を日本仕様として販売しているんだって。

つまり、形式認定の厳しい加速騒音規制なんかをクリアできる状態なんですよ。







スポーツスターは2004年モデルでフルモデルチェンジしたんです。

エンジンがラバーマウントになって、車体も一回り大きくなったんです。

そのフルモデルチェンジに合わせて、形式認定をクリアできるようにしたらしいの。

ビッグツインは2001(2002?)年モデルから形式認定に対応したらしいね。







ただ、2001-2006年はまだキャブレータ仕様が主流であって、

当然ながら、空冷ビッグツインのエンジンがほとんどすべて。

(スポーツスターは07からFI化)

キャブの空冷ビッグツインって、

エンジンとしては、規制クリアするには極めて向いてない種類なわけよ。







そんなエンジンなのに、形式認定をクリアするために

無茶苦茶にキャブを絞り込んで、日本専用の絞り込まれたマフラーを装着。

さらに加速騒音規制をクリアするために、日本仕様だけファイナルをロングにしたり、

点火タイミングを極めて遅らせたりしたわけよ。

つまり、日本仕様は、本国仕様から牙も角も抜かれて、腐らせた感じなわけ。

パワーは全然ないし、アクセル開けても全然付いてこない。

エンジン不調と言っても過言ではない状態。

ハーレーの鼓動感なんてまったく存在しないわけ。

FI化されてからはだいぶマシになったけど、キャブ時代の規制対応車はホント酷いから。

ただ、FI化されたら、エンジンの調子としては良くなったけど、

ハーレー独特の鼓動感は壊滅したけどね。







そんなわけで、エンジン本来の調子を取り戻すためには、

1、吸気(キャブセッティング)、

2、排気(マフラーを本国仕様 or 社外品)、

3、点火タイミング(モジュール書き換え or 交換)

この三つが必須なわけよ。







決して、違法改造ではないから。

ちゃんとセッティングが取れれば、エンジンは本来の調子のまま車検に通りますから。







そんなわけで、購入して間もなくマフラー換えて、キャブも改善して来たの。

残りは、点火タイミング。そいつをなんとかしよう!







ふー、ようやく話がここまで来た。

長くなったんで、ひとまずここらへんで。

つづくぅ


















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