10年06月11日 金曜日







『フロントブレーキ全面変更』・・・XL1200R




















予想はしていたが、走りの面からは不都合だらけのスポーツスター。

ブレーキもダメダメ。

XL1200Rはダブルディスクであるけど、まったく効かない。

絶対的な制動力もないし、タッチもダメダメ。







なにより、ブレーキフルードがDOT5(シリコン系)という点が最悪。

一般的なバイクのフルードはグリコール系のD0T4。

近頃はグリコール系も対熱性が向上して、

DOT5.1というのもあるけど、それもグリコール系。DOT4互換。

DOT5とDOT5.1、似ているけど別物なので要注意。

ちなみに、DOTの数値が高いほど対熱性が高いのです。

なんで、昔のレーサーはあえてDOT5にしたんだって。







また、グリコール系フルードは塗装への攻撃性が高くて、

フルード交換時に飛び散ったものを放置していると、塗装が剥がれちゃうんです。

時々、ブレーキマスターのリザーバタンクの塗装が剥がれているじゃん。

シリコン系はその塗装への攻撃性がないんですよ。

ハーレーはこれを重視して、あえてDOT5(シリコン系)を採用していたのです。







こう聞くと、DOT5のほうが良いことだらけみたいに思うけど、

大きな欠点が、耐久性が低いんです。

DOT4は吸湿性があるんで、結露などにより水が混入しても、

フルードが吸収してくれるんです(ある程度性能は低下するけど)

DOT5はその吸湿性がほとんどないんだって。

だからブレーキングの熱&冷却による結露により、ブレーキ系統内に水が混入すると、

フルードが吸収してくれず、水のまま存在しちゃう。

となると、ブレーキを掛けて圧力が高まっても、水が先に圧縮されて、

ちゃんとブレーキ圧がかからない=タッチが悪化、ふわふわ現象。







フルード交換直後は通常のタッチなんだけど、

一日ツーリング行く程度で、タッチが悪化しちゃう。

ふわふわ、柔らかなタッチ。

まぁ、アメリカ的な乗り方には大きな不都合はないのかな。

ただ、ブレーキを多用する日本の道では、ほんとダメ。







それから、シリコン系はお値段が高い。

DOT4の2倍ぐらい。ハーレーぐらいしか使ってないからかな。

グリコール系のほうが使い勝手、性能的には良いのは当たり前。







なんで、ブレーキを全面的に見直す。

細かいことをチマチマするより、全部交換しちゃえ

ってことで、マスター、ホース、キャリパー総取っ替えしちゃいました。









キャリパーは定番ブレンボ、キャスト40mmピッチ、

サポートはアクティブから出ているヤツ。

マスターは定番デイトナニッシン、19mm

ホースは、GOODRIDGE、buildaline









重要なのがこれ。

ハーレーのハンドルはインチバーなので、一般的な国産のミリバーより太い。

デイトナニッシンのマスターはミリバー用なので、そのままでは付かない。

なんで、この変換アダプターが必要なんですよ。

EJ CUSTOM PLANNINGが出しているんです。









こんな感じに装着。

単にアダプターを噛ますだけだと、レバーが遠くなるんで、

このアダプターには内側に5°の角度が付いているんです。

あと、純正マスターはちょい変わったブレーキスイッチが付いているんだけど、

それを変換するための簡単な配線処理も、アダプターに説明書が付属。

ミリバーに変更という手もあるけど、このアダプターのほうが手軽かな。









そうそう、ノーマルだとウインカーがマスターに直接取り付けられているんで、

ウインカーも移設。









純正オプション、ウインカーリロケーションキット



ここに移設。この位置のほうが一般的ではあるわな。







で、装着



うーん、スポーティ

あ、サーキットでの写真なんで、ミラーが写ってないけど、

ミラーは汎用のアダプターで付けてるよ。









全体像

かっちょええ

ホースは『h』型の取り回しです。

で、フルードは当然、DOT4。







完成後のインプレ。

ようやく普通のブレーキになったというところ。

ホーネットとかの普通の国産のブレーキと同等にはなったかな。

さらに大径ディスクにすれば、より良いんだろうね。

大径ディスク用の40mmピッチのキャリパーサポートもミスミから出てるしね。

ちょい考えたけど、ここまででもかなり予算がかかっているんで、これ以上は断念。

とりあえず、当初のダメダメブレーキの改善という目的は達成できただろう。


















inserted by FC2 system